Comus『First Utterance』

暗い世界観を表現するための手法は、何もブラックメタルやデスメタル、重低音だけの専門領域ではないということをまざまざと感じさせてくれるのがこのComus『First Utterance』―

まず、ジャケットが、とてつもない
King Crimsonの『宮殿』に勝るとも劣らないほどのインパクトです
何かに悶え苦しんでいる、そんな鬼気迫る様相です
部屋に飾りたくなるほどの、素晴らしさです


1. Diana
2. Herald
3. Drip Drip
4. Song to Comus
5. Bite
6. Bitten
7. Prisoner


内容は、全体的に民族テイストが香るサイケデリック・フォークです
なんとも間抜けなバイオリンから導入される「Diana」からして既にどこか邪教的です
御伽噺でも聴いているかのような気分にさせられる側面に、どこか居心地のよさを感じさせる非常に澄んだ女声、美しいです

「間抜けさ」と「美しさ」、そして最大の要が「暗鬱さ」
この3つ、共存不可能のようにも感じられますが、そこはアコースティック主体の音作りだからこそできたのだと思います

「暗鬱さ」こそ最大の要、と言いましたが、この作品には「救い」や「癒し」などというぬるいものは感じられません

どこまでいってもどこまでいっても、何も見えない、広がるのは果てしなく広がる闇ばかり…
そこをなんとか抜け出そうとベクトルは信仰へ向かうのだが、やがて諦め、悲壮感に襲われる…

「結局は何をやっても無駄、因果なんだ―」


下手なブラックやデス、そして表面ばかりを取り繕った2流ヘヴィ・ロック系なんかよりも、数倍の破壊力を持っています、この作品

入手から数年、未だこの独特の世界観から抜け出せそうにありません


もっとも、抜けようという意思もありませんが…


=なぉ=

テーマ : プログレ - ジャンル : 音楽

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