2009-01-21(Wed)
紺野あずれ『こえでおしごと』(1)
こえでおしごと!(1) (ガムコミックスプラス) (ガムコミックスプラス)
posted with amazlet at 09.01.21
紺野 あずれ
ワニブックス
ワニブックス
満足度 : ★★★★☆(4.5/5.0)
エロゲーの声優をやることになってしまった女子高生が主人公という、とても奇抜で斬新な作品。ちなみに、主人公は処女という設定で、作者自身は元々成年誌で活動していた模様。本作が初の一般誌作品とのこと。
姉がゲーム会社を経営しており、その姉の会社を手伝いに行くことになった主人公だが、姉の会社に行ってみると製作していたゲームとはエロゲーで。
会社側の金銭的な事情もあって、身近な人間を声優として育てていった方が得だということもあり、主人公に白羽の矢が立ったわけだが―
扱う題材の性質上、軽めの淫語は多数。一応一般誌として扱われているため伏字が施されてはいるが、逆に伏字がエロい。
しかしただエロいだけではなく、この職業における大変なことや重要なことが集約されている印象。いくら仕事とは言え自身の本意に沿わない言葉をたくさんいわなければならない職業。現場には勿論男女が混同しているが、恥らい過ぎていては仕事にならないし、恥じらいがなくても仕事にならない。その点を考慮すると、エロさ云々の問題は小さなことのように感じた。
決してこのような職業を甘く見ていたわけではないが、改めて大変な業界なのだろうな、と思う。
題材が奇抜なこともさることながらコマ割りも奇抜。見開き2ページを用いての淫語絶叫シーンなど見所もたくさん。
エロ要素がどうしても色濃いけれども、チラリもそのような描写も特になし。良い意味でどうしようもない作品だけれども、その中で胸を打つ面もあるという、とても異端な作品。
エロゲーに限らず、声を使う仕事の大変さを感じたい方には読んでいただきたい1冊。
=なぉ=
スポンサーサイト