2009-02-14(Sat)
吉田秋生『海街diary1 蝉時雨のやむ頃』
満足度 : ★★★★(4.0/5.0)
鎌倉のとある姉妹を描いた物語。
最初は個性の違う3姉妹が登場。看護婦で少しキツめな性格の長女、信金に勤める酒好きの次女、趣味がオタクな三女―
彼女たちの父は、別に女をつくり借金もあって離婚、そしてその後母も再婚。子供たちは祖母とともに家に残り、そのまま両親とは会わずに暮らしてきたのだが、そこに飛び込んできたのは父の訃報。
父と暮らした記憶が薄いため特に悲しさを感じなかった次女三女は、年上で妹達よりも父を知っている分複雑な感情を抱く長女の代わりに葬儀の列へ。
そこで直面するのは、自分達の知らなかった世界でであり、折り合いのつけ難い現実であったり。
「このような状況に直面した際に、あなたは何が出来ますか」ということを、物語における“日常”内で淡々と描き進める辺りに優しさ故の冷たさを感じるものの、ある意味それが人間臭かったり。
「登場人物に何かを乗り越えさせる」ということで、数あるへヴィな状況を描き出してくため、話としてはスッキリした印象もあるが、そこに辿り着くまでの構成は見事だと思う。こういう過程があったからこそこういう台詞を言わせることが出来るのだろうな、という描写も。
この漫画を読んで鎌倉に行きたくなったのは、きっと私だけではないはずだ。
=なぉ=
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