2009-01-26(Mon)
水越保『新新宿駅企画課あるぷすひろば』
満足度 : ★★★★(4.0/5.0)
1巻完結、「鉄ヲトメ暴走コメディ」(帯より)。
近未来の新宿駅を舞台に繰り広げられる鉄道を題材にしたコメディ。
駅とは無数の人々の思いと人生とが交錯する場所であり、時には人生のターニングポイントや“始発”になりうる場所である。
その点を踏まえつつ、「こうだったらいいのにな」や「そういえばあそこはこうだったっけ」と読者の感慨を喚起させる陽気な作品。
とにかく1ページの情報量が半端ではないため、流して読むには不適。細かなところにも(例えば人名にしろ駅弁にしろ)鉄道にまつわるネタが多数盛り込まれているため流して読むことができないのだ。その内容は、時としてくすりと笑わせてくれたり、時にとてもためになるものであったりと、とにかく濃い。
また、著者側が新潟に思い入れがある方なのか、新潟を話題にした話が比較的多め。新潟に住んでいた経験のある私としては、駅の風景が思い起こされる。
絵は良好。頬のムッチリ感が特徴的で、どことなく素朴でやわらか。鉄道という親近感の沸くネタを題材にする点と非常に合う。
1巻完結という尺の長さが適度。続刊があるとしたならばそれはそれで楽しみな気がするが、情報量の多さのためか飽和してしまいそうな贅沢な悩みも。
鉄道好きには勿論のこと、鉄道に少しでも関心がある方、そしてSuicaをモチーフとした表紙絵にビビッときた方には是非オススメ。
=なぉ=
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