2009-01-16(Fri)
萩尾ノブト 原田重光『ユリア100式』
満足度 : ★★★★(4.0/5.0)
汎用人型ダッチワイフが主人公の、エロ・コメディ(?)。
最初に挿入した人専用となるようプログラミングされている主人公の“ユリア100式”。そんな自分の運命を呪い、自分を開発した博士の性奴となるのは嫌だと脱走するところから物語は開始。その脱走途中で困っていたところ、優しく誠実でピュア(しかし遠距離の彼女持ちで非童貞)な大学生に助けられ、そのまま彼の家へ転がり込み―
最初からクライマックスの超展開。
暴走に次ぐ暴走、そして躊躇なく織り成される主人公の危険な妄想、そして勘違い。
積極的に攻める主人公に対し、それを危ういところで受け流す大学生という図式の寸止めコメディ。
所々主人公の取扱いについてのマニュアル風味な説明書きが付け加えられている点も大きなポイントで、あまりのくだらなさに大爆笑させられます。
エロく、卑猥な表現は多々。しかし、それらの要素をギャグとして「秀逸」といえるレベルにまで昇華させる手腕には敬服。露骨な下ネタ・行為ネタを用いているにもかかわらず、爆笑を誘うことのできるギャグ・コメディモノへと仕上げている作品にはそうそうお目にかかれるものではないかと。
展開がワンパターンと言えばワンパターン。
とはいえ、各話の進み方が「暴走→静止→暴走→寸止め→妄想」というテンプレートにおおよそ当てはめられているため、気持ち良いほど軽快に読み進めることができます。物語的にそれほど大きな進展が見込める要素は少ないですが、その点の伸びしろの少なさを考慮しても余るほどの良作。
言うまでもなく、たいていの女性には不向きだと思われますので悪しからず。
=なぉ=
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