2009-01-10(Sat)
竹宮ゆゆこ『とらドラ!』(9)
満足度 : ★★★★☆(4.5/5.0)
続刊。このエントリが投稿された時点では最新刊。
舞台は進級直前~バレンタイン。
修学旅行での出来事以来、さまざまな糸が解け、絡まり、そして切れ。そんな最中であるが、登場人物らは高校2年。主人公の竜児は進路選択に悩み、思い詰める。悩みに悩みが重なって、途方もなく苦しむ姿はとても痛々しい。
登場人物の関係が幾分か好転して救われたかのような様相もあるが、解決しきっていない問題の多さの方が目に付く展開。「どうなるの?どうなるの?」と胸を高鳴らせているうちに読みきってしまった。
個人的には目を潤ませずにはいられない巻。
悩んで悩んで「これで良いのかもしれない」と思って出したひとつの結論。でも、その結論を出す過程が甘かったことを知るまでにはタイムラグがあって。「聞こえない」ふりをしていても結局は重さに耐えかねて、潰れて、失って。
とにかく心象描写が生々しい。語彙は豊富だが、決して難しい言葉を並べているわけではない。手の届く範囲のリアルな言葉だからこそ、胸を打つのだろう。
涙腺は緩みやすくなってはいるけれども、決壊させられるとは思いませんでした。
物語もいよいよ佳境、今後どんな展開を見せてくれるのか、期待は高まるばかりです。
続刊にも大いに期待。
=なぉ=
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