2008-11-18(Tue)
Kiss 『Revenge』

満足度 : ★★★★☆(4.5/5.0)
お気に入り : M9 「Every Time I Look At You」
<収録曲>
1.Unholy
2. Take It Off
3. Tough Love
4. Spit
5. God Gave Rock N' Roll To You Ⅱ
6. Domino
7. Heart Of Chrome
8. Thou Shalt Not
9. Every Time I Look At You
10. Paralyzed
11. I Just Wanna
12 Carr Jam 1981
グランジやハードコアが流行した時代において、それらをKiss流に見事に消化した傑作。
それらの風潮がジーン・シモンズの持つ独特のおどろおどろしさ・野性味とうまく調和したためか、80年代に入ってからどうもいまいちであった彼の楽曲に対して一際輝いている。
Kissのアルバムの冒頭においてジーンの曲を用いるのは極めて稀である。基本的にはポール・スタンレーによる勢いのあるハード・ロックナンバーをぶつけてくるのが定石であるのだが、M1「Unholy」はジーン独自のへヴィなミドルテンポであるにもかかわらず冒頭曲としてしっかり成立しているあたりが聴き所。
また、M6「Domino」も、この80年代における彼の曲とは一線を画した素晴らしい出来である。
一方ポール曲ですと、M2「Take It Off」やM11「I Just Wanna」のような痛快なハード・ロックナンバーもさておきながら、バラード曲であるM9「Every Time At Look At You」がとにかく美しく素晴らしい。
Kissのバラード曲だと『Hot In The Shade』収録の「Forever」が著名なところではあるが、個人的にはこちらも引けをとらない名曲。
また、壮大なロックアンセムとも言えるM5「God Gave Rock'n Roll To You Ⅱ」が収録されていることも忘れてはなるまい。とにかく“ロック賛歌”。「ロックが存在していたからこそ、今自分たちはこの場にいることが出来るんだ」という熱い思いが込められた1曲。
Kissというと70年代の初期作品ばかりに注目されがちではあるが、80年代以降も、特にポール・スタンレーを中心に時代に合わせた良曲を多く生み出している。
古参ファンの心理等もあって、ライブにおいては特にポールが気に入った曲以外は演奏されることの少ない80年代以降の楽曲ですが、80年代以降も時代に合わせた高品質の誰もが楽しめる“ロックンロール”を提供し続けていたバンドが、Kiss。
ジーン・シモンズのビジネスライクな性質や、ポール・スタンレーの消極的な姿勢から完全な新作を望むことは難しいかもしれませんが、それでも私は未だ新作を切望してやみません。
なお、完全な新作ではないですが今年8月には過去楽曲をリ・レコーディングした『地獄烈伝』が発表されていますので興味を抱いた方は是非。
<参考作品>
=なぉ=
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