95年作― ノルウェー産、たぶん1st
ノルウェー産のブラックメタルって、東と西とで音楽性がどうも違うらしい
確か東側の方が個性的で民族臭が強いんじゃなかったか、とおぼろげに記憶しています
もしも、西側と東側を勘違いしていたら、それは愛嬌ということでお願いします
とにもかくにも、この
In The Woods...はいずれにしたって個性が強い
確か
Ulverと同じ側に位置しているはずです
作品名の「HE」は意図的に大文字らしい
その意図を汲み取る気力なんて毛頭ありませんが、とにかく何故か大文字です

満足度:★★★☆☆(5点満点中3点)
ジャケが神秘的です
森と湖畔といったところでしょうか
色合い的にはゴシックな香りも漂ってます
あまりブラックっぽくないな、というのがまず感じた印象
裏ジャケでは何か人が集まって火を囲んでいます
決して呪術めいたものではなく、ただただ火を囲んでいます
キャンプファイヤー的な、ちょっと原始な雰囲気
もともとジャンル的な区分けが難しいのであろうこの作品
そのことを承知の上で手を出したわけですが、これは評価がとても難しい作品でした

「大自然賛歌」とでも言っておけばよいのでしょうか
かなり強烈です たいそう濃ゆい 希釈してあげたいほど濃ゆい
ジャンル的には、本当区分けが難しい
プログレッシヴ臭がプンプンするので、プログレとしても受け止められないこともない
私自身は、「ブラックの突然変異体である」という某所での入れ知恵を元にこの作品に辿り着いたわけですが…
何もこのような変異の仕方をしなくても…笑 とか思うのです
個性的なのはとにかくヴォーカル―
普通声を主体に、超絶叫を駆使してきます
「男らしいBurzum」といっておくのが一番近いでしょうか
Burzumを知らない人のために言いますと(知らないのがむしろ普通だと思いますけれど)、野生的・ターザンっぽいといいますか…
ううむ、表現し難い
単刀直入に言います
このヴォーカル、嫌いです(笑
野性的で猛々しい― 別にそれは良いんです
致命的なのは曲の雰囲気に合ってないのではないか、ということ
静かなパートが多用されており、曲はとても美しかったりするのですが、それをブチ壊すような声なのです
ちょっとゲルマン的ですね、この雰囲気
「キョーッキョーッキョキョキョーッ!!」
ひえぇ… こいつはとんでもない
Burzum信者の私にしてここまで感じさせるとは思わなんだ
超絶叫のパートに入った瞬間にブラックな香りが全開
なんなんだ、この静と動のギャップは…?
やり過ぎじゃねーか、と思うのです
何か非常に悲しい雰囲気を感じます
ヴァイキングの悲惨な歴史を感じさせてくれなくもないような、そんな物悲しさです、この超絶叫
しかし、物悲しさを感じるにもかかわらず、思わず失笑してしまうのです
もうちょっと、全体として引き締めて洗練してくれたら、もっと良い作品になっていた(かもしれない)のに…
その点、惜しい
女声パートあり、キーボードありでこれらがアクセントになっています
鬱蒼とした森林を感じさせてくれます
まさに「In The Woods」な世界観 この点は間違いなく体現されていると思いますのでご安心を
一応、歌詞が気になったので調べてみますと、これも凄い
以下、簡単にストーリーをば
(幾分素人が訳したものですので間違いはお許し願いたい)
男が傷付きながら大自然を彷徨っていました
その男が突然「私は輝くのだ!!○○(不明:わからん)の力なのだ!!」とか喚きだします 既に精神に異常を来たしていますね、無駄に
そう、無駄に神降臨してます、この「男」に…
「私は騎士だ!!」とか突拍子もなく主張してます
輝いた結果、騎士になったのでしょうか とにかく危険人物です
「騎士だ」と言い始めたかと思うと、「私は巨匠だ!!」とのたまいはじめます
これは、たまったものではありません 輝いてから後のビフォーアフター具合が半端じゃありません うはっ(笑
しかし、まだ終わりません
「輝いた」「騎士だ」「巨匠だ」散々言っちゃってくれますが、トドメの一言で「しかし、私は神ではないのだ…」
なんか、テンションが下がってますね
どうせなら「私は神なのだっ!!」とか言ってくれた方が面白かったのに
いや~、これは凄い
危うく火傷をしてしまうところでした、森の中で(笑
ターザンやって蔦やロープからずり落ちた感じです
プログレッシヴ・ヴァイキングといったところでしょうか
なんというか、私が感じた限りは土着的な感じです
聴いて損はしたとは思いませんでしたが、頻度多く聴くような作品にはなれませんね、絶対
これをリピートして聴けるほど、私には心のゆとりがありませんから
ブラックの突然変異体―
この言葉を無駄に噛み締めさせられる作品でした
=なぉ=
♡人気blogランキング参加中♡