2008-11-16(Sun)
Black Sabbath『Technical Ecstasy』

満足度 : ★★★★(4.0/5.0)
お気に入り : M2「You Won't Change Me」
<収録曲>
1.Back Street Kids
2. You Won't Change Me
3. It's Alright
4. Gypsy
5. All Moving Parts (Stand Still)
6. Rock N' Roll Doctor
7. She's Gone
8. Dirty Women
それまでのへヴィでドゥーミーな作風に加え、アメリカを意識したと思われるポップさとメロディアスさを融合した傑作。無機的なジャケットとは裏腹に、内容は温かみさえ感じることのできる人間的な仕上がりとなっている。
“アメリカナイズド”というと、より大衆に受け入れられるために音が軽くなった作品が多いような印象があるものの、この作品に関しては決してそんなことはない。かといって重過ぎるということも無く、それでいてバラエティに富んだ意欲的な内容となっている。例えば、M3「It's Alright」などは非常にビートルズ的な楽曲であるし、M7「She's Gone」はストリングスの美しいバラードに仕上がっている。そういった意味でも、まさに絶妙なバランスが体現された一枚。
ディオ期への橋渡しのようにも見受けられるのがこの作品の特徴で、オジー期の独特のおどろおどろしさと、ディオ期のもつドラマティックさが見事に融合した作品とも捉えることができるだろう。
サバス全体に通じることではあるが、本作においても名リフは健在。
個人的には、M1「Back Street Kids」のリフが格別かっこよく感じられる。荒々しくも、多少投げやりめいたオジーのVo.に調和させるリフを構築して見せる辺り、さすがである。また、M1におけるリフは“和製サバス”とも評される人間椅子の『三悪道中膝栗毛』収録の「発射」という曲でオマージュされている。興味のある方はそちらも是非オススメしたい。
サバスへの導入として薦めるにはためらわれる作品ではあるが、間違いなく高品質な作品である。
~参考作品~
=なぉ=
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